感想:艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆
2016/01/02
ようやく読むことができました。
元は軍艦だった瑞鶴が、艦娘として目覚め、自分なりの戦いへの向き合い方を模索する話。
前読んだ一航戦の話が、提督や、艦隊全体の成長話だったのに比べると、瑞鶴の成長にスポットが当てられた作品。
まず一言言わせてもらうと、
濃厚な戦闘描写と心理描写、ごちそうさまでした。
先日まで飛龍の戦記を読んでいたので、艦載機の戦闘の仕方、非常に心躍る物がありました。
史実と同様の戦闘方法でありながら、艦娘、人型であることもきっちり生かしてくる、面白いです。
最後の切り札は、伏線の張り方含め、大変よいものでした。
(ホントは知識としても持っててもおかしくなかったのですが、勉強不足でした)
艦娘達の心理描写は、ゲームシステムでも存在する、「運」のパラメータを上手く絡ませ、自分の行動だけではどうにもならない運の要素が、戦闘に大きく関与することに対して艦娘達がどう折り合いをつけているのか、また、
瑞鶴がどう向き合っていくのかは一見の価値ありと思います。
艦娘の艤装システムは、魂自体に格納し、任意に展開できるシステムをとっていました。
魂をコンピュータの概念での情報(ギガビットとかのアレ)みたいな物と仮定すると、工学的なアプローチもできないこともないですが、それはまた追々。
また、戦闘描写的に無傷からの轟沈もある状況らしく、相当シビアな戦況だなとも思いました。
とにもかくにも大変面白かったので、興味を持たれた方は是非!
にしても史実でもゲームでも切り札的な大和さんにあんな登場のさせ方をするのは内田先生だけだって……