サブリミナル・マインド
2016/04/15
「人の心は一体どういう仕組みなのか」についての膨大な研究結果をまとめた本です。心理研究に関して、広範な話題を取り扱っているのでなかなか理解するのが大変でしたが、とても興味深い本でした。
脳のシステムが思っていたのとぜんぜん違う
この本を読んで一番驚いたのは多分これですね。
自分自身この本を読むまで脳のシステムはこんな感じだと思ってました。
ただ実際この本に書いてある研究結果のまとめや、著者の考え方等をまとめるとどうやらこんな感じらしいです↓
脳の大半は自動処理で、自分の意識は結果を監視してるだけに過ぎないみたいです。
だから自分の喜怒哀楽も、意識はその原因をなんとなく推測してるに過ぎず、その感情の本当の理由を知ってるわけじゃないみたいです。
別名「情動の末梢説」とも呼ばれる通り、この考え方によれば、「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」ということになります。
引用:下條信輔 『サブリミナル・マインド』p.40
本書は最初の章から「自分はもう一人の他人である」という話題から始まります。それほど、自分が自覚できない領域というのは巨大で理解しづらいシステムなのでしょうね。
しかし、本書の一番衝撃的な話題は「第九講 私の中の悪魔」だと私は考えてます。
この本を読み進めると自分を認識する意識というシステムが脳に対して極めて小さな権限しか与えられてないことがわかってくると思います。そんな状態で、自己の内面は他人と同じくらい理解不能であるということを理解した上で、現代の法律に言及したらどうなるかというテーマが第九講です。なかなかとてつもない話題です。
膨大な研究結果と、そこで行われた実験と結果、更に多数の専門用語と人名が出てくるのでなかなか読むのが大変ですが、人の心の構造が気になる人は是非読んでみることをおすすめします。