TeCF001 -翔鶴型の艦首形状-
2016/01/02
翔鶴型は第二次大戦ではまだ少ない、バルバスバウを搭載した艦艇でした。
そもそもバルバスバウとは……
バルバス・バウ(英語: Bulbous Bow)とは、船の造波抵抗を打ち消すために、喫水線下の船首に設けた球状の突起[1]。球状船首(きゅうじょうせんしゅ)[1]、船首バルブ[2]ともいう。
引用元:Wikipedia バルバス・バウ
URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%A6引用元写真:Wikipedia バルバス・バウ 画像
URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Brosen_bow_ship.jpg
より引用
こんな感じで艦首の喫水線下が膨らんでるものを指します。
コレが何の為にあるのかと言うと、ものすごく大雑把に言って、船が進むときの抵抗を減らして推進効率を上げるものです。
(細かい説明はWikipediaが詳しいので引用URLから飛んでいただけるとありがたいです)
で、帝国海軍艦艇でこの艦種を採用しているのが大和型と翔鶴型です。
自分はこれまで、バルバスバウと言うのは”艦首吃喫水下が前に出っ張っているもの”と思っていました。
翔鶴型の図面を見てみると
引用元写真:Wikipedia 翔鶴型航空母艦 新造時の瑞鶴
URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Fig_of_japanese_aircraft_carrier_Zuikaku_in_1941.gif
艦首が全く出っ張ってないんですよ。
Wikipediaとかの記述には「翔鶴型にはバルバスバウを採用」って書いてあるものが多く、これはどういうことだ?って思っていたのですが、理由は何とも恥ずかしいもので、
バルバスバウの定義
×艦首下が出っ張っている
○艦首下が膨らんでいる
という単純な自分の勘違いでした。
実際上記の瑞鶴の艦首下も、前方には膨らんでないですが、左右方向には楕円に膨らんでいます。
艦首下が前に出っ張っているから、バルバスバウが作る波と、船自体がつくる波が逆位相になって打ち消しあい、抵抗が減り推進効率が上がる。よってバルバスバウとは艦首下が前方に膨らんでいるものを指す。
と解釈していたのですが間違いで、船舶工学はもっと複雑なもののようです。
前方に出っ張っていなくても、抵抗が減る理由はちょっと分からないので、また機会があれば詳しく調べたいと思っています。