プラズマとは?
2016/01/02
妄想で使える核融合炉、今回はプラズマについてです。
プラズマとは、要するに、
不規則な熱運動をする中性な荷電粒子が広がっていること。
ということのようです。
もっとも馴染み深い核融合炉とも言える太陽も、巨大なプラズマの塊。
プラズマの具体的な定義について、
プラズマ核融合学会誌12月【79‐12】/集中講座1 – jspf2003_12-1221.pdf: 参照リンク
から引用すると
電気的に正と負の荷電粒子を含み全体としてほぼ中性であること
荷電粒子の存在する広がりは,荷電粒子間のクーロン力の及ぶ範囲(デバイ長)よりも大きいこと
個々の荷電粒子は不規則な熱運動をして,粒子間の二体衝突が頻繁でないこと
ということのようです。では一つ一つ具体的に見ていきます。
電気的に中性な荷電粒子の集まり
これはそのままですね。プラズマというものは、主に電子と原子核がバラバラになって飛び回っているのですが、電子はマイナスの電荷、原子核はプラスの電荷を持っています。それぞれの粒子を取り出すと、プラスやマイナスの電気になるのですが、プラズマ全体を見ると両電荷がほぼ同量なので電気的に中性となっています。
粒子の広がりはデバイ長よりも広い
これについて、wikipediaのプラズマ物理(参照リンク)、”デバイの長さ”の項目によると
デバイの長さ λD はプラズマ中で電場が遮蔽される現象(デバイ遮蔽)の特徴的な長さであり、λD より小さい領域では電気的中性が保証されない。従って、考えている物質系がプラズマとして振る舞うためには、その空間的大きさ L が λD よりも充分に大きくなくてはならない。
とあり、またwikipediaのデバイの長さ(参照リンク)によると
プラズマ中では「荷電粒子間に働く力はデバイの長さより短い距離ではクーロン力にほぼ等しく、遠くではほぼ 0 である」という描像が良い近似で成り立ち
とあるので、クーロン力の働く距離よりも充分に大きい領域がプラズマとして存在しなければ、電気的中性が保たれないということなのでしょう。
不規則な熱運動で二体衝突が頻繁でない
これはプラズマ・パラメタが関与しているようです(参照リンク)。プラズマ・パラメタが1より充分大きいというのが厳密な定義のようですが、これと上記定義がほぼ等価なようです。これが成立すると、荷電粒子が多くの粒子と影響を及ぼしあうので、プラズマとして振舞うということのようです。また、デバイ遮蔽が機能するかというのがこのパラメタでも決まるとのこと。
ということでプラズマとは、プラズマ・パラメタが1より充分大きく、デバイ遮蔽が有効に機能する全体として中性な荷電粒子の集まりということでしょう。
さて、ここまで核融合炉について原子核の融合であることと、プラズマについて説明したので、次回より具体的な構造についての解説をしていこうと思います。