同人誌感想「しにたがりのきみへ」 だーくさいどるーむ
2016/01/02
前々から気になっていたオリジナル同人誌、サークル:だーくさいどるーむ様の「しにたがりのきみへ」。ようやく購入できました。
画像はpixivより引用させていただきました。
在庫(2015/07/15時点)
メロンブックス :残りわずか
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=118329
キャラクターの設定と描写が面白い
“人付き合いの苦手な子が友達を作る”という、シンプルな話なのですが、自傷癖の子とずかずか距離を詰めてくる子、この二人の性格設定が絶妙な面白さを出しています。
自傷癖、自殺未遂と言うのは現実から逃げるという意味もあるにはあるのですが、注目してほしいというのも実際にあります。主人公が周りに見てほしいという心理から、自傷に走ってしまう展開は、妙にリアルでいいですね。
逆に主人公に拒否されながらも距離を詰めようとする女の子。なかなか芯が強くて、一瞬で主人公の本心を悟る洞察力もすごいと思うのですが、ただの変な奴にしか見えないのは面白いですね。いつの間にか主人公視点で周りのキャラクターを見てしまっています。
心理描写が上手く、友達の裏側が気になる
最終的に、主人公が自分の琴線に触れられたが故に拒否せざるを得なかった描写は、僕があの状況に陥ってもそうなるだろうなという気がしました。心の琴線なんて触れてほしくないですから、嘘でもなんでも言ってその場を切り抜けたくなるものです。
しかしその直後の凶行。ちょっかいをかけ続けた女の子はなぜあんな凶行に走れたのか、どうしてあんな表情ができるのかと言うのを考えると、なかなか深いものを感じます。
普通の人間だと、下手をしたら殺人事件なのでこんなことはできません。本当に相手のことを気にしているからこそ、そんな行動ができるのでしょうし、自分よりも相手が優先な子なのでしょうね。
この子の過去に何があって、こんな性格を形成できたのか。そういう話も見てみたいです。
前述の通り、話自体はシンプルなので、そこまで読むのに時間がかからないと思います。しかしシンプル故に、その裏側のほのめかしが非常に心地いいです。作者さんも続きを描きたいと書いていますし、この二人の今後、または過去をもっと見てみたいです。