「やればできる」の研究
2016/01/02
才能は一体何なのでしょうか?
生来的なもので一定以上の向上は不可能なのでしょうか?
それとも努力によってどこまでも伸ばしていけるものなのでしょうか?
そんな疑問に答えてくれる書籍でした。
結論から先に書いてしまうと、才能が伸びるかどうかは、才能が伸びると信じているかどうかにかかっている。
ということにかかっているようです。
才能や能力が伸びるための”心のあり方(マインドセット)”とはどういうものなのか?
というのを調査結果や、実例を上げて示しています。
本書の特徴として、わかりやすさを重視するために個人個人のマインドセットを
こちこちのマインドセット:自分の才能、能力は固定的で変わらないとする考え方
しなやかなマインドセット:自分の才能、能力は努力次第で伸ばすことができるとする考え方
の2つに大別しています。
2章のQ&Aでも記述がありますが、人間は個人差があるし、分野や対象によってマインドセットが違います。あくまでもわかりやすさため、人を2つのマインドセットに分けて記述したのだと思います。
人の才能、能力は、しなやかなマインドセットによってどんどん伸びていく。
そのようなマインドセットの持ち主は問題にぶち当たった時、どのような対応をするのか。
ということが仕事、勉強、子供のしつけ、教育の場など、様々な環境、エピソードを通じてわかりやすく説明されており、またこちこちのマインドセットとの比較もあるので大変読みやすいです。
この本を読みながら自分の性格を思い返すと、自分は
・人に、自分は能力がないと思われるのが怖い
・自分が課題をどうやってこなしたのかということよりも、それがどう評価されるのかが気になって保身を図る
・失敗をすることが極端に怖い
というような人間なので、努力して能力を伸ばすことよりも、失敗せずに評価されることを重視してしまいます。
(そういう意味では、才能が伸びることを信じていないわけではないですが、こちこちのマインドセットです)
この本では、
・別に批判されたからと言って、人格を否定されたわけではない
・才能や能力がないなら伸ばせばいい
・失敗を恐れて評価を気にすることが逆に悪い結果を引き起こす
ということが繰り返し書かれており、失敗に対して気が楽になると同時に、できないならできるようにすればいいという気にさせてくれました。
あ、これは注意点ですが、
やればできる
やってもできない
の比較なので、やらなくてもできるという話題ではないです。
ライフハックとか、自己啓発系の話題を探すとどうしても楽にできる方法を探しますが、やっぱり批判はしんどいですし、努力は必要です。